日本と西洋の建築

若い頃にヨーロッパに飛び出して、建築を学ぼうと一人で渡航した私ですが、古代建築や現代の建築に至る西洋建築の世界というのは、光がキーワードとなっており、日本では体験したことのない建築が目に飛び込んできて、私の中にある感性を覚醒させました。

日本との建築と何が違うのかと言いますと、日本の伝統的な建築というのは、光が下から返しているのですが、分かりやすく言いますと、障子が直射日光を遮り、人をやさしく包み込むようにして、屋内に入り込むという感じです。

一方の西洋の建築というのは、室内に直接的な光を取り込み、力強いイメージでして、光を建築の要素として取り入れようとする、人間の意志が強く現れています。

そんな西洋の建築物を見ていると、光を追求した歴史が受け継がれているだと感じます。

このように、国によって建築に対する考え方や、技術というものは異なるものですが、建築という面では西洋のほうが相対的に進んでいるようにも思います。

両者とも、特徴が違いすぎるので、比較するのは難しいのですが、日本も西洋も素晴らしい建築技術を持っている事は間違いなく、吸収するべきポイントも多いのですが、理念や創造性という意味では西洋の建築は非常に勉強に成るでしょうし、刺激になります。

建築に対する評価

建築に興味を持ち始めてから30年近くが経とうとしていますが、これまでの人生は悪戦苦闘の毎日で、苦しみながらもなんとか建築業を続けています。

これまで幾つか、日本の建築にはないような、近代建築を目指した作品もつくってきましたが、私としては誰もが良いと言ってくれるものだと思っていますし、愛される建築をすることができた作品であっても、それを判断するのは私ではないのでしょう。

評価というのは相手がいるから使える言葉でもあり、私がどれだけ素晴らしい建築だと行ったところで、周囲が納得しなければ、評価を受けることは出来ないということです。

そこで何が必要なのかと言いますと、自分で満足の出来る建築をすることに他ならず、自分のコンセプトや思いを貫くことが大切であり、誰もが良いと思うものをつくろうとしてしまうと、どうしてもブレが生じてしまって、矛盾だらけになってしまいます。

職人は頑固な方が良いと言いますが、まさにその通りでして、建築の道を進むのであれば、一貫性のある作品を作り続けていくことが大切なのかもしれません。

しかし、一貫性を持ってつくり続けるのは大変なことでして、作っている課程でどうしても矛盾が生じてしまうこともあり、簡単な作業ではありません。

それでも建築を続けている私は、建築バカなのかもしれませんね。